こんにちは!
GrowVaLスタッフです。
今回は
「変化する世界に通用する子どもと、子育てのために必要なこと」
というテーマでお話を致します。
前回に引き続き、数回にわたってお伝えしていきます。
前回の記事はコチラから
今回は
「心理的安全性を確保するための「愛着」について」
「6つの愛の伝え方」
についてです。
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前回は
自己実現への行動を起こさせるための支援には
子どもにとっての「心理的安全性」が重要であるとお伝えしました。
今回はその心理的安全性を守るために
保護者の方々が取るべき具体的な行動をお伝えしていきたいと思います。
まず大前提として前回お伝えした通り、
保護者の方々は「安全基地」としての役目があります。
だからこそ子どものことをたくさん愛して、安心させてあげることが大切です。
心理学では安全基地となる大切な人との特別な関係を「愛着」と呼びます。
人が温かいつながりを持ちたいと思うのは、「関係性の基本的欲求」があるからです。
これは一方向性のものではありません。
「自分の存在を認めてほしい、愛されたい」という欲求だけではなく、
「人を愛したい、相手を幸せにしたい」という人を思いやる優しさもあります。
また、ここでいう「基本的」とは
①子どもは誰でも「生まれつき」持っている欲求なので、親は満たす必要はあるが、教えたり植えつけたりする必要はない。
②食事や睡眠などの生理的欲求と同じで、満たされないと色々な問題が起きる。
という2つの意味を内包しています。
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人には「愛の器」があると考えてください。
自分が愛で満たされているときは、人は頑張れるし、誰かにやさしくなれますが、
愛がたりていないと感じているときは、頑張れない、人にやさしくできない、我慢できない…となってしまいます。
ご自身の生活を振り返ってみてもそんな経験はありませんか?
大人でもそうであるなら、子どもはもっと顕著に行動に表れてしまいますよね。
子どもの起こしてしまういわゆる「問題行動」は
この愛の器が満たされていないからこそ起こってしまうことが多いです。
人にやさしくできない時は、人にやさしくされていないから、と考えるべきなのです。
そういう意味で「愛着」は双方向性なのです。
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そしてさらに大事になってくるのは
「その愛が無条件」であることです。
「100点取ったら愛されるけど、50点だと愛されない」
「いい子だと愛されるけど、泣くと愛されない」
と感じていては「関係性の欲求」は満たされないです。
だからこそ
愛しているという「事実」だけではなく
それが無条件の愛であること、
そしてそれが子どもに伝わっていることが一番大切です。
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いかにして「無条件の愛」「条件付きの愛」を区別して、
かつ、どのようにして伝えていくべきなのか。
6つの伝え方をご紹介します。
①傾聴と非言語コミュニケーション
子どもの話には一生懸命耳を傾けて聞くことが重要です。
子どもの方に傾くくらいに体を向けて目を見るのです。
子どもの話をさえぎらずに聞きながら、自分の相槌の声のトーンを意識してください。
逆に注意を払わない「ながら」で子どもの話を聞いたり、
相槌をしないで聞いてしまうと、想いが伝わりません。
「都合の良いときだけ話を聞いてくれる」という条件付きの愛が伝わってしまいます。
②肯定的な言葉
子どもへの愛や肯定的な気持ちを、ことばで素直に表します。
「〇〇してくれてありがとう」「大好きだよ」
「頑張っているね」等のことばが有効です。
逆に親が間違えてしまった時は素直に謝り、子どものネガティブな感情をそのまま認めて共感していくと無条件の愛が伝わります。
逆にことばにしない、感謝をしない、弱みばかりを指摘すると愛は伝わりません。
過程ではなく結果を誉めたり、ネガティブな感情を否定すると、条件付きの愛が伝わってしまいます。
③クオリティタイム
クオリティタイムとは一緒に過ごす共同の時間のことです。
親子どちらからも積極的に関わる行為で、テレビを一緒に見るなどの受け身的な行為ではありません。
トランプ、ゲーム、料理、スポーツ、散歩などですね。
子どものやりたいことを一緒にやるのもいいと思います。
逆に一緒の時間を過ごさない、面倒くさそうに過ごす、一緒にいても心ここにあらずで他のことを考えている…などをしてしまうと愛は伝わらないです。
④タッチ(スキンシップ)
スキンシップを求めるのは人の基本的欲求です。
ことばだけ、行動だけ、でも愛は伝わりづらくなっていきます。
なのでスキンシップを意識してみてください。
ハグをしたり、膝に乗せたり、だっこ、おんぶ、手遊び、肩車等…
逆にスキンシップがないと愛されていないと感じ、
いい子ならなでて、悪い子なら拒否する、などを行ってしまうと
条件付きの愛が伝わってしまいます。
⑤サービス
サービスとは、生理的ニーズを満たす行動で、食事を作る、保育園の送り迎え、家の掃除、お風呂に入れる等です。
幼児期の子どもは自分では何もできないので、何でもやってあげますが、
最終的には自分でもできるように少しずつ教えていきます。
「悪い子だとおやつをあげない!」などの行動は条件付きの愛が伝わってしまいます。
⑥ギフト
誕生日、クリスマスなどのイベントは一つのお祝いの儀式です。
「一緒に喜ぶということ」自体が絆を作っていきます。
値段や大きさ、手作りか否か等はさておき、自分のことを考えていてくれたことに愛を感じます。
逆に「〇点をとったらあげる」等は条件付きの愛が伝わります。
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親の関わり方には
「親が何かをすること」と、
「親が子どもに寄り添って見守ること」の2種類があります。
サービスやギフトは前者で、
傾聴やスキンシップ、クオリティタイム等は後者です。
子どもは、後者に愛を感じることが多いので、自分の使っている愛の言葉を見直してみるとよいでしょう。
そして子どもはどんなときに嬉しそうにするかを確かめるため、
子どもが良く自分に使う愛の伝え方を観察したり、子どもに直接聞いてみたりをしてみましょう。
限られた大切な時間を、相手が愛を最も感じる方法で使うと、みんなが幸せになれます。
参考文献:「世界に通用する子どもの育て方」著:松村亜里
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