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中学受験:思考力入試シリーズ②かえつ有明中学校の「アクティブラーニング思考力特待入試の体験会」潜入レポート!

更新日:2023年1月28日


今回は、

みんなで楽しくワークショップしているけど、これがなんと中学入試!!思考力入試シリーズ②かえつ有明中学校の「アクティブラーニング思考力特待入試の体験会」潜入レポート、をお伝えします。

昨年末、12月10日(土)に、今年度最後の開催となった「かえつ有明中学校(※以下かえつ)のアクティブラーニング思考力特待入試の体験会」を取材してきました。


◇アクティブラーニング思考力特待入試とは何か?


かえつでは数年前からアクティブラーニング思考力特待入試を実施しています。今年は2月3日の午後に実施されます。試験概要は、ファシリテーターから問が出題され、受験生5~6名で構成された各グループが、その問に対する答えを考え、まとめ、発表するという入試です。知識による筆記試験はなく、面接もない、ワークショップだけで合否を決める、全国的にも極めて珍しい入試です。


なぜ、アクティブラーニング入試をするのか?を担当の先生に質問をしてみました。


「かえつの授業で、けん引してくる子がほしいんです。」


グループワークやディスカッションなどを通じて生徒が主体的に学ぶアクティブラーニングを、ブームになる前からかえつでは実施してきています。以前の取材で、高校のプロジェクト科の授業を取り上げました。このかえつの中心になる授業をけん引してくれる生徒がほし、という想いから入試がスタートしたそうです。


さらに、


「アクティブラーニングで必要な力って、簡単に対策できないですよね。日常的な過ごし方や様々な経験から養われる力です。塾などで対策できる偏差値では測れない入試が必要です。こういう入試は、アクティブラーニングをしているうちがしないと!」


と解説をしてくれました。


先進的な学校では、探究型の授業を本格的に取り組み、そして探究授業に必要な力を身に着けているのか?を問う入試が増えてきています。(GrowVaLでも取材した聖学院など)

前回の記事でも記載しましたが、首都圏では、現在約130校で思考力入試が実施され、総合型選抜、探究授業という教育改革の流れにあわせて、定員数や実施校はさらに増えてくることが予想されます。中学受験もこれからは、偏差値ではない受験の時代が主流になってくると考えられます。


◇アクティブラーニング思考力特待入試はどのように実施される?


それでは、体験会での内容について説明をしていきます。

体験会は本番はほぼ同じ流れだそうです。体験会は約60分程度でしたが本番の入試は90分になります。


〇座席配置

席は6名のテーブルに自由に座っていきます。

体験会では、6名のグループが5セットで構成されていました。

ファシリテーターの先生が問いを投げかけるなど、進行を行います。

評価者の役割は3種類で構成されています。

各グループを専属で見る評価者と、2グループを横断的に見る評価者、さらにすべてのグループを見る評価者で、1グループを計3名で評価します。


〇アイスブレイク

音楽が流れ、リラックスした雰囲気の中、自己紹介ゲームが実施されます。

今日の朝食を食べたものと名前を各自順番に発表し、前の発表の内容と合わせて自分の発表をしていくゲームを実施します。知らない子同士ですが、すぐに仲良くなっていました。

さらに、

「ホットドックとサンドイッチのちがいは?」などアドリブ?の問いかけもあり、安心安全な環境の下で入試が実施されます。


〇最初の問、「嬉しい」と感じることは?

生徒ごとに、意見を付箋に書く個人ワークを実施します。

たくさん書ける生徒もいますが、なかなか書けない生徒もいます。

書いた付箋について、全員で発表をしていきます。

各班のファシリテーターは生徒同士で決めていきます。

この入試全体そうですが、先生からサポートにはいることはなく、全て子どもたちだけで進めていきます。


〇2つ目の問、「幸せ」と感じるものは?

「嬉しいこと」と「幸せ」の共通するものは?また、違いは何か?

ここでホワイトボードを使って意見を整理していくワークが始まります。

整理するのに、子どもたちはとても苦労をしているようで、意見を言う子と言わない子で分かれ始めてきました。


〇インプットを設け、視野を広げる

画面に絵が映し出され、『幸福な王子』を口頭で語られます。

内容は、3分程度のストーリーです。

そして、そのストーリーを元に、「王子にとって幸せは何か?」という問が出され、各グループで意見を1つにまとめるワークを実施。


〇最後の問、「あなたにとって幸せは何か?」。

ここでレポートが渡され、個人ワークで自分の意見をまとめる時間となります。

各自レポートに記載した考えを発表し、ホワイトボードにまとめるワークを実施します。


〇他のグループのホワイトボードをみて、他グループ意見を見る

全生徒がホワイトボードを見ますが、生徒たちの行動で気になったのが、特にメモをとっている生徒もなく、眺めているだけで終わっているように感じました。


〇他のグループの意見を見て、先ほどのレポートに自由に感想を書いて終了します。

  

以上が、アクティブラーニング思考力特待入試の体験会の流れになります。

本当は、この後にファシリテーターからまとめや、入試の説明がありましたが、隣の思考力入試体験会を見学するために、最後の部分は見ることはできませんでした。



◇どのように評価をしているのか?


最後に、この60分間(本番は90分)で、どのように評価をしているのかでしょうか?


評価はルーブリックを軸にされるそうですが、細かいものではなく、大まかな軸でできているそうです。(具体的なことは教えてもらえませんでしたが・・・)


「かえつの授業で、けん引してくる子」が入試の目的です。

その目的を考えると、「みんなの意見が出る問いかけ」、「考えを見える化(ホワイトボードの使い方)」、「相手へのわかりやすい意見の伝え方」などは、見学していて私は評価できたので、この辺りを試験官は見ているような気がしました。

※あくまでも記者の見解になりますので、今後の取材で正しい確認をとりたいと考えております。


入試実施中は、受験者を随時評価しているそうです。

ワークショップの途中で採点が終わっている場合も少なくないそうです。

体験会の後半で、「レポート」を書くことがありましたが、このレポートは評価者の先生が採点に迷った場合、協議の資料として使います。よって、レポートの内容より、ワーク中の言動が評価の中心になります。子どもたちは、レポートが良ければOKと思いがちですが、実はそうではないので要注意です。


会の最初にアイスブレイクは、もちろん安心安全な場作りもありますが、生徒にリラックスをしてもらい「素」の生徒をみるというのも狙いだそうです。だから、素が出すぎて不合格になることもあるそうです。


最後に、少し余談になるかもしれませんが、一緒になったグループ構成で有利・不利がうまれるケースはあると教えてもらいました。運的要素で左右される可能性があるということです。


今回はかえつ有明中学校のアクティブラーニング思考力特待入試について説明しましたが

このような偏差値で合否を決めない思考力入試は、首都圏には多くあります。

GrowVaLでは引き続き、これらの思考力入試をご紹介していきます。

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