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変化する世界に通用する子どもと、子育てのために必要なこと 第2回



こんにちは!

GrowVaLスタッフです。


今回は

「変化する世界に通用する子どもと、子育てのために必要なこと」

というテーマでお話を致します。

前回に引き続き、数回にわたってお伝えしていきます。


前回の記事はコチラから


今回は


「自己決定・自己実現と幸福度の関係性」

「子どもが幸せになるための子育てスタイル」


についてです。

ーーー


前回は

変化する世界に通用する子どもとは、「自らの強みや価値を創出することができること」であり、

時代の変化によって、教育に求められるものが変わってきているというお話をしました。


大人には、お子様の多様性を重視して個性を伸ばすこと

主体性、協調性を尊重することが今大人に求められています。


ではそのような「世界に通用する子ども」を育てるためには

どうすればよいのか、

それは

「自己実現を支援する子育てをすること」

です。


人間性心理学と呼ばれる学問では

「人は生まれながらに自分の力を最大限に生かして

人の役に立ちたいと思っている「自己実現」の欲求を持っているとし、

この欲求が邪魔されなければ、人は自己実現に向けて成長していく」

とされています。


それを科学的手法で証明するために「3つの基本的欲求」があります。

ここでの3つの基本的欲求とはいわゆる

「食欲、睡眠欲、性欲」を指すものではないです。


①関係性…人と良い関係を持つこと

②自己効力感…やればできると思えること

③自律性…自分で選び決定できること


この3つが満たされると

人は自己決定をし、精神的に健康になり、幸せになれる

としました。


ーーー


日本では2018年、これを支える研究が発表されました。

神戸大学西村和雄氏らは、20~70歳2万人の

幸福度に影響を与える要因を調査しました。


幸せに関係していたのは、

1位「健康」2位「人間関係(パートナーや職場の上司・同僚)」

そして3位に「自己決定度(進学先や就職先を自分の意思でどのくらい決めたか)」

がありました。


★学歴・年収・自己決定の幸福度への影響

(縦軸は決定要因の重要度)

【出典】幸福感と自己決定  著:西村和雄氏ほか


ーーー


自己決定をした上での自己実現が幸福度に与える影響が大きいことはわかったと思います。


ではそれを踏まえた上でどのような「子育て」が良いのか。

これに関しても西村和雄氏らが、

子育てスタイルと

成人後の収入、学歴、精神的健康との関係を調査しました。


あくまでも調査結果からの傾向ですが

子育てスタイルのタイプいくつかに分けました。


①支援型…自律を促し温かいスタイル

②厳格型…報酬や罰を使って厳しいスタイル

③迎合型…子どもの好きなようにさせるスタイル

④放任型…無関心型

⑤虐待型…体罰などを使う


それではいくつかのスタイルを調査結果をもとに見てみましょう。


A成人後の年収

【出展】子育てのあり方と倫理観、幸福感、所得形成 著:西村和雄氏ほか を元にGrowVaL作成


Aのグラフは子育てタイプが年収に与える影響に関するグラフです。

見ていただけるとわかるように支援型が一番高く、

厳格型も2番目に高いです。


B大学卒の割合

【出展】子育てのあり方と倫理観、幸福感、所得形成 著:西村和雄氏ほか を元にGrowVaL作成


Bのグラフは学歴との関係です。

大学卒業以上を最終学歴とする人の割合をグラフにしています。

支援型の割合が一番高いですね。

厳格型の、この割合に含まれていない人たちは

大学を中退した人たちも含まれているでしょう。

子どもがいうことを聞くのは幼児期と学童期までで、

そのまま厳しいコントロールをしてしまった結果このようになったことが推測されます。



C前向き思考(幸福度)

【出展】子育てのあり方と倫理観、幸福感、所得形成 著:西村和雄氏ほか を元にGrowVaL作成


Cのグラフは幸福度のとの関係性です。

今までのグラフと比べて開きが大きいことから、

幸福度はやはり大きな関係があることがわかりますね。

プラスに行くほど前向き、マイナスに行くほど悲観的ということですね。

支援型は他と比べてずば抜けて高いです。

支援型の子育てスタイルが幸福度に大きく影響してくることがよくわかります。



D不安感

【出展】子育てのあり方と倫理観、幸福感、所得形成 著:西村和雄氏ほか を元にGrowVaL作成


Dは不安感に関するグラフですが、

Cと同様にやはり支援型の子どもが最も低くなっています。


ーーー


以上4つのデータからいえるのは

「支援型が子どもの幸せや成功に一番効果のあるスタイル」

であるということです。


迎合型、つまり子どもの好きなようにさせる子育ては、

意外と幸せに結びついていないようにも思えますね。


気を付けているつもりでもなかなか保護者の方が

コントロールしてしまうこともあると思います。

ですが、まずはその手を一度離して

離すだけではなく、背中を押してあげることが大切です。


一番大切なのは

子どもの育つプロセスで保護者の方が「安全な居場所」であることが大切です。

勇気をもっていろいろ挑戦させてあげて、

時には失敗したりうまくいかなくなることもありますが、

その時には迎え入れてあげてください。

しかしそのうち不自由を感じて、エネルギーがたまったら、また挑戦します。

「安心」→「不自由」→「挑戦」→「失敗・不安」→「安心」の繰り返しです。


自己実現への行動を起こさせるための支援に必要なのは

子どもにとっての「心理的安全性」だということですね。


参考文献:「世界に通用する子どもの育て方」著:松村亜里




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